造園豆知識
2025.07.07 造園豆知識
庭木の剪定、どの時期がベスト?プロが教える年2回の目安
札幌の庭木、剪定時期で失敗しないために知っておきたいこと
「そろそろ枝が伸びてきたけれど、剪定はいつやればいいの?」
「雪が多い札幌だと、本州の剪定カレンダーは通用しない?」
そんな疑問を抱えたまま庭木を放置してしまうと、樹形が乱れたり病害虫の温床になったりと、 せっかくのお庭がストレスの原因になりかねません。
20年以上札幌で造園に携わってきた山本造園が、年2回の剪定目安とその理由を わかりやすく解説します。
剪定はなぜ必要?―庭木と人の暮らしを守るメンテナンス
剪定は単なる見た目の調整ではありません。
1. 美観を保つことで住まい全体の印象が上がり、
2. 日当たりと風通しを確保して健康的な成長を促し、
3. 害虫や病気のリスクを下げるという大切な役割があります。
放置された枝葉は隣家へ越境したり、台風・豪雪時に折れやすくなるため、 安全面のリスク管理としても欠かせません。
札幌の気候が庭木に与える影響
札幌は積雪量が多く、最低気温が−10℃を下回る日も少なくありません。
この厳しい環境で庭木がダメージを受ける主な理由は、
- 雪の重みで枝折れが起こる
- 凍害で細胞が破壊される
- 冬の乾いた北風により枝葉が乾燥し生育不良
雪解け後に慌てて剪定すると、芽吹き前の大事な養分を 切り落としてしまうことも。
「いつ切るか」は北海道ならではの気候を前提に考える必要があります。
年2回が基本!剪定タイミングの目安
札幌の一般的な個人宅で推奨されるのは、夏・秋〜冬の2回です。
落葉後樹木にとって「ダメージを最小限に抑えつつ形を整えられる」ゴールデンタイム。
🍁秋冬剪定
落葉後であれば強い剪定が可能、基本的な骨格剪定、モミジ類は春の水上げが早いので落葉後早期に実施するのがポイント。
☀️ 夏剪定(7月中旬〜8月上旬)
初夏の旺盛な成長がひと段落し、葉量が増えすぎる時期。
ここで枝先を軽く透かすことで、風通しと採光が改善し、 うどんこ病やアブラムシの発生を抑制できます。
札幌の庭でよく見かける樹種別ワンポイント
- モミジ・・・お庭の限られた空間で自然らしくつくる。
- エゾマツ・・・剪定に強いが芯止めは春先1回だけ。高くなりすぎて手が届かなくなる前に剪定が必要。
- ヤマボウシ・・・花後の7月頃に軽剪定。切り過ぎると翌年の花付きが減少。
- ライラック・・・花が終わった直後の5〜6月に 古枝を根元から更新して株を若返らせる。
- 松類・・・最低年一回は手入れが必要。手をかければかけるほど良くなる。春のみどり摘みと夏のもみあげができれば最高。
自分で剪定?プロに任せる?判断ポイント
脚立が2.4m以上必要な高木や、上向き枝が混み合うマツ類は 落下事故・切り戻し失敗のリスクが高め。
また、病害虫で変色した枝は剪定後すぐに焼却するなど 専門的な判断が必要です。
処分費・道具代・作業時間を総合すると、 「年2回プロに依頼+日常は低木を自分で整える」ハイブリッド管理が トータルコストを抑えやすい傾向にあります。
剪定と一緒に考えたい“庭との付き合い方”
庭木を切る行為は「減らす」「弱らせる」イメージがあるかもしれませんが、
本質は「育てるための間引き」。
毎年伸びる枝葉に手をかけることで、家族が季節を感じる時間が自然と生まれます。
週末に子どもと落ち葉集めをしたり、バードフィーダーを枝に設置したり―― 剪定はそんな“庭で過ごすきっかけ”にもなるのです。
まとめ:まずはお気軽に無料相談を
「うちのヤマモミジは今切って大丈夫?」
「高いところのエゾマツが電線にかかりそう」…
そんな時は札幌の気候と樹木の個性を熟知したプロに一度ご相談ください。
適切な時期・方法・費用感を丁寧にご説明し、 長く愛せるお庭づくりをサポートいたします。